Oh Jesus! (Mission viejo, CA)

これは何を作っている工場か?
長さ大体4、5mの金属製の筒状のものを
手作業で溶接したりやすりかけたり
している。
手前の黒い筒は、カーボンファイバー製で
特に念入りに粉つけて磨き込まれている。

外に出ると、先ほど工場で作っていた筒に
ポールのようなものをつけて、そびえ
立っている。わかるこれ? 
ヨットのマストなり。
先ほどの筒の中に帆がくるんで入って
いる。これでほぼ完成品。
手前のはしごみたいなのに載せて
運搬し、別の工場で作った船体に
ドッキングするのだそうだ。

アメリカ人で無趣味な人はあんまり
知らない。なにがしかやってる。
釣り、狩猟、ゴルフとか、ドラッグレース
(一直線に突っ走り、スタートのタイミング
で勝負が決まるやつ)、
ハーレーでツーリングとか。
その中でもヨットはクルーザーに次いで
かなりのハイソな趣味である。

当然ながら一般庶民の私は、こういう
ヨット部品の専門メーカーがあるとは
知らなかった。まぁよく考えれば、
海に浮かんでるヨット、帆は何々ブランド
がいいとか、船体は何ブランド
マストはやっぱりどこそこブランドだろう
などなど、でかいリビングに美しい妻と
子供たち。ハイティーなどをしながら
百科事典のようなヨットのカタログを
めくる。傍らにゴールドレトリバーが
寝そべり、ゆるりとした土曜の午後。
...と妄想してみたりする。

完成品は優雅で、普通に縁がない製品だが
だが、案外と作業風景は日曜大工風。
作業しているのは、ほとんど英語が出来
ないメキシコ人ばかり。
私に一生懸命片言の英語で
(かなりスペイン語混じり)、
この部品がどうでこうで、この部分の
加工が難しい。んでもって、自分はこの
仕事20年やってる、等々教えてくれる。
しかし彼は自分の作ったマストが
どうやって船体にとりつくかを知らない。
この工場ではマストが完成品だから。

彼の名前はJesus。ジーザス、つまり
キリスト。スペイン語ではJはハ行なので
ヘススと発音する。
キリスト教圏では、一般的にキリストの
弟子の名前を子供につける。
ヨハネ=ジョン ルカ=ルーカス 
マルコ=マーク、マーカスなどなど。
メキシコでは天使の名前もつけてしまう
ラファエル、ガブリエルとか。
このおそれ多いJesusも結構ポピュラー
な名前である。
教会でお祈りするとき、どんな気持ちに
なるんだろうか?要らぬ心配をしてしまう。

日本では最近奇抜な名前をつけるのが
流行だが、はたして、
山本観音、佐々木釈迦、高橋如来.....
なんて名前はさすがにおそれ多いだろう。
中学、高校とかで、おい釈迦!....君...いや、様
なんて先輩も呼捨てしにくいだろう。
とまた要らぬ心配をしてしまう。
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