例の古典的オカルト話のこと.....(ちょっと小説風に)

仕事柄、今まで世界中いろんなとこ出張。
東南アジア諸国、フィリピンセブ、メキシコ、ブラジル、イスラエル等々。
たまには、海外で日本からの出張者
と現地で合流したりもする。
よく聞かれる質問は、
今までどんな危険な目にあったか。
あんまり面白い話がないので、皆一応に
がっかりする。
だって、ジャーナリストじゃあるまいし
ゴルゴ13とか「落合@Nobi」ばり
の波瀾万丈な体験なんてあるわけない。

せいぜいこんな話くらい。

今年の一月にサンパウロに出張した
フライト中に起きた出来事。

朝LAの自宅をでて、NY JFK着くころには
既に時差が三時間プラスされ夜の帳が降り
ていた。大陸横断のフライトで、肩と腰が何か鉛ようなものに置き換わってしまった
ようだった。
あまり乗り換え時間もないので、軽く伸びをしてから、そそくさと飯を済ませ
American airlineサンパウロ便の待つゲート
へ向かった。

いつ飛び立ったのかも分からなかった。
目が覚めると、すでにライトがきえていて
いびきが聞こえるほど静まり返る機内。
もうドリンクサービスも終わったのか...
少し喉が乾いている。
まるで凪ぎのように機体は少しの
揺れもなく水平を保っている。

1:00am

今はどのあたりだろう?
座席のLCDスクリーン航行画面、飛行機マークは旋回するような軌跡を
描いていた。
St. George..... どうやらSt.George島と
やら付近を航行中らしい。
まだまだ先は長いのに、こんな夜中目が
さめちまった。
チャンネルを映画に切り替えた。
いつの間にか、追っていたストーリーが
飛んでいた。
途中で寝てしまったようだ。
やれやれ....

1:30am

航行画面に切り替える。
!
St George??
なんだ? 寝ぼけちまってるのか?
飛行機が同じところくるくる回ってる?
どういうことだ?
相変わらずいびきしか聞こえない機内。
フライトアテンデントも全員
寝てしまってるのか?
頭をフル回転させ、この現象の合理的な
理由を考え続けた。人間は思考を止めたと
きパニックに陥るからだ。

空路が混雑していて、我々の機体は
別の機体が通りすぎるまで、上空を待機?
バカな、鉄道じゃあるまいし。  

軍用機が航行しているのでその通過待ち?
いや、そもそも民間機の空路に軍用機が
通過する自体、国際法違反、外交問題に
なるだろう。
だいたい機内アナウンスがなぜないのだ?

いや待てよ、通過待ちなのはそもそも
航空機ですらないのではないか?
U.F....... そんな馬鹿馬鹿しい。

うーむ、そういえばどっかでこの話
聞いたことあるぞ。
--------------------妄想モード中---------------------
....深夜の偵察中の空軍パイロットから、
管制に最初の無線連絡あり。
「コンパス、計器類が異常、方角がわからない。」

「機体の状態はどうなっている?天候は?」

「方角が不明以外はすべて良好。エンジン
、制御装置は問題ない。天候は良好だ。星と月を頼りに目視で飛行を続けている」

「有視界飛行が出来るのなら、基地へ帰還することはできるか?」

「やってみる。.....いやまてよ、なんだあれは?」

「どうした?何かあったか?」

「星も月もなにか変だ。海もいつもと違う。なんだこれはいったい!」

「どうした?何がみえるんだ?」

「あっ!!前方に光が! ....のま..........か........,
 .....そ.....い.....ことだったのか.......
........白い水の壁に侵入........................」

「何をいっているんだ! 応答せよ応答せよ!」

この通信を最後に、この偵察機はこつぜんと姿を消してしまった。
---------------------------------------------------------
もう一度航行画面をみる。
.....バミューダトライアングル......
冗談だろう....
大体古典過ぎるだろうオカルトでも。

飛行機の軌跡は無情にも円を描き続ける。

2:00am

この状況は機内アナウンスが不要な程度の
問題なのか? 一時間もおんなじとこ
回ってるんだぜ!
なんで誰も気がつかないんだ?

暫くすると、となりの若者も気づいた
ようだ。しきりにこちらに視線を送る。
俺はその視線をできるだけ無視した。
でないと、気がおかしくなりそう
だったからだ。
視線を避けて、通路側の俺はその若者
越しに外を覗いてみた。
漆黒の闇が見えるだけだった。
機内は相変わらずいびきの音が響き渡る。
-------------------妄想モード中------------------------
......俺たちはこのまま、光の渦に中に吸い込
まれるのか? 
それはタイムスリップなのか?
こんなとこで海の藻屑になるより
別の時代で生きていくのもありかな?
しかし現世では俺たちは死んだことに
なるんだろうな。
過去の時代にトリップしたら、せめて
家族に手紙出せるかな?タイムカプセルに
入れて土に埋めて...........

数百年後のある日、手紙が齢90になった娘
の手に渡る。やっぱりパパは別の世界で
確かに生きていたんだ。
「今回のパパの出張はとても遠い国なの、何年も帰ってこれないかも、もしかす
ると私たちが生きてる間は帰ってこないの
かもしれない。でもなにも心配ないわ、 
そこで元気にお仕事してるのよ。」
現実主義の弟はママのことをいつもバカ
にしてたけど、私は信じていた。
ママにもこの手紙を見せたかった。
それだけが心残りだ。

同封されていた赤錆びたものは、出張の
度に私へ買ってくれるキーホルダー。
恐らくドライビングライセンスだったで
あろうカードは写真も文字も読み取れ
ないくらいだったけど、確かにパパのだ。
間違いない確かにパパは出張から帰って
きた。
....お婆ちゃん!。おやおや、ひ孫が呼んでいる。えーっと、そういえばあの子はなんて名前だったっけ?
------------------------------------------------------------
P.A.
「お客様に申し上げます。ただいま当機は
航行システムの不具合により、しばらく
上空を待機しておりました。ただ今システムが復旧しました。最終目的地サンパウロ
へ向かう前に、プエルトリコへ着陸し
給油を行う予定です。
約30分を予定していますが、最終目的地
サンパウロ到着は2時間遅れを見積もって
おります。大変ご迷惑をお掛けしますが
どうかご理解お願い致します。」

そして飛行機は、プエルトリコ、サンフアンの空港に着陸。
携帯をOnすると、At&tのアンテナが
立った。さすがアメリカ領。
ブラックベリーで、迎えのタクシー
を2時間遅らせてほしい旨メールを
送っとく。

まだまだサンパウロは遠い。
飛行機のディレイもメールしたし、
もう一寝入りしておこう。

Fin...


# バミューダトライアングル(Bermuda
Triangle)は、フロリダ半島の先端と、大西洋にあるプエルトリコ、バミューダ諸島を結んだ三角形の海域。昔から船や飛行機、もしくは、その乗務員のみが消えてしまうという伝説があることで有名である。

Blog:http://ice99xx.blogspot.com/
Sent via BlackBerry by AT&T

Comments

Popular posts from this blog

EarthとSpamの発音には十分ご注意を

LA郊外の通勤鉄道、メトロリンクTustin駅

日本人の口にも合うものは、世界中で通用するのか?